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今年の夏、
DISHの公演「≦Beat!!≧」を観に行ったとき、たまたま隣に座った。

「最近どうですか?」

なんて、よくある話をした。

舞台が続いてるけど、稽古はそんな忙しくないような話をしていた気がする。
体調の話も、ちょこっとしていた気がする。

全てが「気がする」程度の他愛もない話。
思い返せば、話の内容もはっきり覚えてないような世間話が、まつさんと、この世では最後の会話だった。

でも、このとき偶然、隣に座らなければ、共演がなかった今年は、まつさんとの記憶がなかったかも知れないわけで。
そう思えば、そんな話でも記憶にあるのはありがたいことなのかも、
なんて思ったりもするわけで。


素敵な役者さんでした。
文句を言わず、何度でも稽古に付き合って下さる役者さんでした。
このシーンが上手くいかないって、お互いおいしくないじゃん。
俺もおいしくなくなっちゃうんだから、いいんだよ。
そう言って、根気強く稽古してくれる役者さんでした。
何で今のが面白くなくて、どんな芝居をしたらこの台本の意図が活きるのか、
ぼんくらな私に説明してくれる役者さんでした。

一日何食、食べてたんだろ。
良く食べ、良く飲む人でした。
一応、健康に気を使って緑茶ハイを飲む人でした。
すぐ飲んじゃうからって、いつも一度に二杯注文する人でした。
そんなに飲んだら、健康に気を使うって言えないだろ、っていつも思ってました。
緑茶ハイが入った大ジョッキが小ジョッキに見える人でした。

良く食べて、良く飲むから、良い具合に成長してる人でした。
デブはキャラなんだと言っていました。
俺が痩せちゃったら、キャラなくなっちゃうだろ、と言ってました。

「俺は命懸けでこの体重を維持してるんだよ!」

本当に言ってました。
この言葉の通り、命懸けで面白いデブなお兄さんを演じ続けた役者さんでした。
みんなに愛されるデブなお兄さんでした。


カントリーマァムの袋の中を物色する様が、ハ~チミ~ツ食べたいなぁ~、と、プーさんがハチミツの壺に手を突っ込んでるように見える写真と、
誰かのバースデーケーキを我が物顔でパクパク食べるまつさんを、みなさんにお裾分け。

芝居をしてるときの次に輝いているまつさんです。

まつさんに最後のお別れをできなかったので、私のまつさんの記憶はこの笑顔で♪
みなさんの心の中にも、素敵な顔のまつさんが輝いていますように。



角田友佳